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名詩名文を声に出して読む部屋


by himemikos

青いガラスの万葉歌碑

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「名詩・名文を声に出して読む部屋」主の亡き母の手になる万葉歌碑です。
私事で恐縮ですが、万葉ファンの皆様、折をみてお訪ね下されば嬉しいです。
北九州市若松区本町「古賀薬局」前。
JR若松駅より歩いて10分ぐらい。渡船場からもそれくらいでしょうか。

昨日こそ 船出はせしか 鯨(いさな)取り 比治奇の灘を 今日見つるかも

天平2年の冬11月、大宰帥・大伴旅人が大納言に任ぜられ都に上った時、従者たちは別途海路によって上京したと『万葉集』の詞書にあります。
「羈旅を悲傷び(かなしび)詠んだ歌10首」の中の1首、作者名はふせてあるようです。
「比治奇の灘」は、播磨、現在の兵庫県の海という説もありますが、確定はしていません。
母は若松の北にのぞむ「響灘」と想定して、歌碑を制作しました。
生前、万葉集をこよなく愛し全国の万葉故地を旅して、書家として万葉歌を作品にしたためてきた母ですが、生涯を過ごした若松の地にゆかりの歌がないのをさびしく思っていました。
そして見つけたのです。四千五百余首の中に一首だけ「ひびきの灘」らしいこの歌を。
師と仰いだ著名な万葉学者の先生から「歌の心が何よりも大切。荒津の海(福岡市)から船出したのだし、ここも通過したでしょう。響灘と想って詠んでいいのですよ」と励まされ、師のご指導のもと、趣味であったガラス細工にこの歌を心を込めてしたためました。
北九州市若松区にあるただ一基の万葉歌碑です。
青いガラスの万葉歌碑_a0292310_11045401.jpg






by himemikos | 2020-11-02 21:58

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